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Japanese Dictionary

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デジタル大辞泉
ふ‐かん【×俯×瞰】
読み方:ふかん[名](スル)
1高い所から見下ろし眺めること。鳥瞰。「ビルの屋上から市内を—する」
2(比喩的に)広い視野で物事を見たり考えたりすること。また、ある事柄や状況に対して客観視すること。「自分自身を—してみる」


俯瞰
読み方:ふかん
俯瞰とは、高い所から物事を見下ろすこと、あるいは、広い視野で全体を把握することである。読み方は「ふかん」である。俯瞰の語には、物理的な意味と比喩的な意味の2つの意味を含んでいる。
俯瞰の「俯」には身をかがめるという意味があり、「瞰」には見下ろすという意味がある。ちなみに、「俯瞰で見る」という表現は、俯瞰という言葉自体に「見下ろす」の意味が含まれており、「見下ろして見る」となるため誤った使い方である。「上から俯瞰する」も「上から高い所から見下ろす」となってしまうため誤用である。
俯瞰と同じ意味を持つ言葉には「鳥瞰」や「客観」などが挙げられる。鳥瞰は、空を飛ぶ鳥のような目を持ち、広いエリアを見渡すことである。客観はほぼ同じ意味と言えるが、ニュアンスには若干の違いがある。客観は、主観の対義語であり第三者の立場から物事を見るというニュアンスが強い。主となる部分から離れた場所に立ち、対象を見るという意味においては俯瞰と似た意味を持つが、広い視野を持つという意味はない。客観は、あくまでも他からの影響を受けない独立した立場から見るという意味に留まっている。
ビジネスシーンなどでは、俯瞰を使った言葉が用いられることが多い。例えば、ひとつの作業に没頭するあまり、プロジェクトの全体像を見失ってしまうことがある。そのようなケースでは、ビジネスの全体像を再認識する意味を込めて、「俯瞰的に考える」「俯瞰の目を持つべきだ」などの言葉が使われる。俯瞰の語の使い方や例文小学校の教師は、教壇から生徒たちを俯瞰する
俯瞰という言葉を物理的な意味で使用した例文である。小学校の教壇は、床から一段高く設計されていることが一般的である。その上に立ち、眼下に生徒たちを見渡す様子を表している。彼の風刺マンガは世の中を俯瞰的に捉えている
比喩的な使い方で俯瞰という言葉を取り入れた例文である。風刺とは、世の中の出来事を独自の視点で捉え、辛辣に表現する創作方法である。俯瞰力を身に付けなければビジネスシーンでリーダーシップは取れない
ビジネスシーンでは、往々にして俯瞰という言葉が比喩的に使われる。俯瞰力は、経験によって培われるスキルのようなもので、部下を束ねたり、プロジェクトを滞りなく進めたりするために必要な基礎的な力である。人物を俯瞰構図でスケッチする
俯瞰という言葉を物理的な意味として使用している。俯瞰構図とは、美術の世界ではよく使われる言葉である。例えば人物を俯瞰構図でスケッチする場合、描く側がモデルよりも物理的に高い位置にいなければならない。また、俯瞰構図で人物の全身を描く場合、頭が大きく、脚にかけて先細りになるのが一般的である。俯瞰構図に対して下から見上げることをアオリ構図という。俯瞰撮影のために脚の長い三脚を購入した
物理的な意味として使用している。テーブルの上の平皿料理を撮影する際、真上に近い場所にカメラを構え、見下ろすように撮影する。その撮影方法を俯瞰撮影と呼ぶ。俯瞰の語の類語俯瞰の類語には、「包括的に見る」「大局的に見る」「マクロに見る」などが挙げられる。言葉が持つ本質は多少異なるため、適宜使い分けが必要である。「包括的に見る」という言葉には、広範囲に渡って物事を見るという意味を持つ。俯瞰が高い位置から全体を見渡すのに対して、包括的という言葉には視点の指定がない。散見する物事を縦横無尽に集約するような場面では、俯瞰より包括的のほうが適している。
「大局的に見る」は、些末な事情を抜きにして、大雑把に全体を捉えるという意味がある。例えば、刻一刻と状況が変化する囲碁の対戦状況やスポーツの進捗具合を表す時に使われることが多い。このような場面では、俯瞰ではなく大局という言葉を使ったほうが適切である。
「マクロに見る」という言葉には、物事を広い視野で見るという、俯瞰と似た意味を含んでいる。マクロという言葉だけを見ると、「巨大」や「広い」という、単純に大きさを表しているに過ぎない。マクロ経済やマクロビジネスなど、他の単語と組み合わせることで、全く違う意味の言葉になる点が俯瞰とは異なる。俯瞰の語の対義語俯瞰の対義語には、「仰望(ぎょうぼう)」「近視眼」「主観」などが挙げられる。仰望は、物理的に物事を仰ぎ見るときに使う言葉である。「富士山を仰望する」というように使用する。近視眼は、近視の眼という物理的な意味を持つ一方、物事の一つの側面しか見ようとしないという比喩的な意味を持つ。俯瞰には、広く全体を見るという意味があり、その点においては対義語といえる。主観は、物事の中心部分に立って物事を見ることである。俯瞰という言葉には、外部から全体を見るという意味があり、客観的で冷静な目を持つという意味も備わっている。
俯瞰は、英語ではlookingdownと表現する。例えば、日本語の「上層階のオフィスから地上を見下ろしつつ、通知メールを確認する」は、英語では「Check notification emails while looking down on the ground from the office on the upper floors.」と表現する。looking downは物理的に眼下へ目を向けるという意味である。日本語の「俯瞰的な視点でビジネスを理解したい」は、英語では「I want to be able to see business from a bird's-eyeview.」となる。これはビジネスシーンの状況を俯瞰的に把握したいという比喩的表現である。俯瞰には、物理的に下を見る意味と、比喩的に物事の全体に眼を行き届かせるという二つの意味があため、これらの意味を使い分けるには、文脈の流れで判断する必要がある。
(2020年10月15日更新)

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