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Japanese Dictionary

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デジタル大辞泉
のし【熨=斗/×熨】
読み方:のし
1方形の色紙を細長く六角形にひだをつけて折りたたみ、中に熨斗鮑(のしあわび)の細片を包んだもの。祝儀などの進物に添える。熨斗鮑の代わりに昆布(こんぶ)や紙を用いたりする。近年はふつう熨斗紙が用いられる。
2「火熨斗」の略。
3「熨斗鮑」の略。
4紋所の名。熨斗鮑の形を図案化したもの。
熨斗の紋所
熨斗の紋所の一つ「熨斗の丸」

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実用日本語表現辞典
熨斗
読み方:のし
熨斗とは熨斗(のし)とは、祝儀や贈答品などの進物に添えられる飾りのことである。熨斗紙(のし紙)と呼ばれる包装紙の右上側に配置されることが多い。水引(みずひき)と併用されることも多い。
熨斗を印刷した包装紙を「熨斗紙」という。熨斗が印刷された袋を「熨斗袋」という。水引も印刷されている場合が多い。熨斗袋の水引は印刷でなく実際の紐が用いられることも多い。
熨斗の由来熨斗は、もともとは包装紙の上に貼る「干しあわび」を指す言葉であり、「熨斗鮑(熨斗あわび)」とも呼ばれていた。あわびは祭事で用いられる貝であり、それを貼ることで「神仏にお供えする」という意味が強調されてきた。現在の熨斗は、その名残がである。
熨斗の原型は熨斗鮑であるが、本物のあわびを調達するのは手間であり、紙によって代替されるようになった。紙を折って作られた熨斗は「折り熨斗」と呼ばれる。今日では簡略化が進み、熨斗(折り熨斗)を熨斗紙に印刷して代替する形式が主となっている。
現代における熨斗には「改まった気持ちで贈り物を進呈する」という思いが込められた記号といえる。熨斗はさまざまな贈答品に使われる。季節や行事をほとんど選ばない。お中元や暑中見舞い、結婚や出世祝いにも熨斗は用いられる。
昨今の熨斗紙や熨斗袋は、状況によっては熨斗紙・熨斗袋の種類を選ぶ必要もある。たとえば、弔事や法事に際して贈る品には、薄墨(グレー)で水引が印刷された熨斗紙を選ぶのがよいとされる。現代風にアレンジされた熨斗は、目上の人に感心されない場合がある。盛大な祝いの場などでは、折り熨斗が当然とされて、熨斗紙で贈ったら失礼と見なされる可能性も出てくる。こうした判断に全国統一基準のようなものはなく、それぞれ判断する他ない。熨斗の語源熨斗とは、「熨す(のす)」という意味の漢字と「ひのし」とも読まれる「斗」を組み合わせてできた言葉である。熨斗の由来は、8世紀に発表された書物「日本書紀」にあるとされる。記述によると、倭姫命が志摩の国崎で、海女に差し出されたあわびに感動を覚えたという。倭姫命にあわびを献上するよう命じられた海女は、あわびを薄く切って乾燥させ、腐らないように加工してから献上した。この作業を「のす」と呼ぶ。そして、薄くなった物質を日光で干す作業が「ひのし」である。
日本書紀のエピソードによって、薄く切ったあわびには儀礼的かつ、神聖なイメージがつきまとうようになった。これが熨斗の起源である。その後も2000年以上にあたり、三重県鳥羽の国崎町では熨斗あわびが生産されるようになる。そのほか、「肥前国風土記」や「吾妻鏡」といった歴史書にも熨斗あわびは登場してきた。慶事に欠かせない縁起物として、熨斗あわびはかなり昔から日本人に認識されていた。
やがて、室町時代ごろから熨斗と「水引(結び切り)」を贈答品に用い、結納の式をとり行う風習が生まれていく。当初は熨斗を使った結納は武家社会だけのものだったものの、時代とともに庶民へと広まった。少なくとも江戸時代末期には、熨斗の文化は大衆に根付いていたという。ただし、高価なあわびをのすのは庶民だと難しいため、簡略化された道具が必要とされるようになった。こうして、熨斗紙や熨斗袋が生まれ、新しい日本の習慣に加わっていく。熨斗の種類、書き方熨斗の種類はいろいろで、目的によって使い分けられる。熨斗と紅白や金色の水引を組み合わせたものを「祝い熨斗」と呼び、お祝い事に関する贈答品に用いられる。なお、婚礼関係の熨斗紙では、帯紐を「結び切り」と呼ばれる方法で結ぶ。この方式だと通常より固く結べるので、「縁が切れない」という意味になり、夫婦に贈る場合ではふさわしいとされる。なお、婚礼関係の結び切りは10本の場合が多く、それ以外では5本か7本となる。
あえて熨斗を省略するケースも少なくない。たとえば、おくやみに関する贈答品はそもそもお祝い事に該当しないため、熨斗があると失礼になる。そのうえで、水引も黒白のものにする。
正しい熨斗紙を選んだ後で、目的に合った「表書き」を加えなくてはならない。表書きとは、熨斗紙の上部に記載される、目的を表す言葉のことである。熨斗の表書きの書き方としては、毛筆で「お祝い」と書くのが定番である。婚礼関係の表書きであれば、「御結婚祝」「寿」といった言葉になる。そして、水引の下には贈り主の名前を書く。組織を代表して贈答する場合には「(組織名)一同」と名入れする。
現代では、熨斗の絵を手描きすることも珍しくない。水引や結び切りを手描きにしたり、熨斗をイラスト風にしたりすると親しみやすさがわく。気心の知れた相手に贈る熨斗であれば、手描きも効果的だろう。ただし、目上の相手への贈り物、格式ばった祭事に関する品であれば、手描きを避けるのが無難である。熨斗の関連表現相手に何らかの贈り物をすることを「熨斗をつける」と表現する場合もある。ただ、「わざわざ丁寧な装丁を施す」という意味もこもっており、皮肉として用いられるケースが多い言葉だといえる。そして、相手にもらったものを返上するとき、「熨斗つけて返す」と表現することも少なくない。「熨斗をつけるほど気持ちが高ぶっている」という意味で、願ったりかなったりの事態を喜んでいる状態ともいえる。「熨斗をつける」と同じく、「熨斗つけて返す」には敵意のニュアンスがこもっていることもある。
また、平織り生地の一種として「熨斗目」も日本人に親しまれてきた。あるいは、その生地で作られた着物の総称を熨斗目とすることもある。熨斗目は男子の宮参りや七五三用の着物に用いられる生地であり、おめでたいイメージの熨斗から名づけられている。さらに、屋根の上部に取り付けられている瓦が「熨斗瓦」である。熨斗瓦は雨水を表側と裏側に流すため、日本家屋に欠かせない。熨斗瓦があることで家の防水性は保たれ、雨漏りが起きにくくなる。熨斗瓦の中にも「厚熨斗」「大熨斗」など多くの種類があり、用途によって選び分けられてきた。
熨斗の本来の意味である、「薄く平たいものを乾燥させる」という言葉の使い方も現存している。たとえば、「のしいか」とは、いかを乾燥させた保存食である。水分が抜けているので腐りにくく、長持ちする。また、酒のつまみとして日本人に人気の食品としても知られている。
(2020年11月26日更新)

Japanese-English Dictionary

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のし【×熨▲斗】
a thin strip of dried abalone wrapped in folded red and white paper (and attached to a gift to show the regard of the giver)

・贈り物にのしをつける
 attach a decoration of folded red and white paper to a gift
熨斗を付けてあげるI'll give it to you gladly./You are welcome to it.
熨斗紙(Japanese) gift wrapping paper
熨斗袋 an envelope for a gift of money

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熨斗
読み方:ぬし、のし
熨 とも書く
(名詞)(かな表記が多い)
[対訳] noshi; long thin strip of dried abalone in folded patterned paper, attached to a gift

Hán Tôm Mark Dictionary

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Mark Name Dictionary

*Looking up names of animals, plants, people and places. =動物名・植物名・人名・地名を引く=