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Japanese Dictionary

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三省堂大辞林第三版
かか・る[2]【掛(か)る・懸(か)る】
(動:ラ五[四])

物がほかの物に取り付けられたり,支えられたりしてそこにある。《懸・掛》

上方に掲げられる。ぶらさがっている。「壁に絵が-・っている」「凧(たこ)が木の枝に-・る」「大きな看板が-・った店」「戸口に表札が-・っている」「のれんが-・っている」

中空にある。「月が中天に-・る」「天の川が夜空に-・る」

〔自在鉤にかけて火の上に置いたことから〕鍋などが火の上にのせられている。「ガスコンロに鍋が-・っている」

〔竿秤(さおばかり)の鉤にかけて重さをはかることから〕秤で重さが量られる。「重すぎてこの秤には-・らない」

もたれる。よりかかる。「手すりに-・って休む」「もたれ-・る」「しなだれ-・る」「かきおこされて人に-・りてものす/蜻蛉:上」

仕組んだものに捕らえられる。「大きな魚が網に-・る」「わなに-・る」「計略に-・る」

(「心にかかる」などの形で)心配になる。「子供のことが気に-・る」「心に-・る」

戸などが開かないように,掛け金や鍵で固定されている。「ドアに鍵が-・っている」

物が上方に置かれる。《懸・掛》

ある物がほかの物を覆うように置かれる。「雲が月に-・る」「霞が-・る」「カバーが-・った本」「ワックスが-・った床」

液体や粉末が上方から注がれる。「水が-・る」「波しぶきが-・る」「雨が-・る」「ほこりが-・る」「ドレッシングの-・ったサラダ」

身に作用を受ける。《懸・掛》

好ましくない作用を受ける。「あなたに迷惑が-・っては申し訳ない」

疑いが向けられる。「K氏に嫌疑が-・る」

期待が向けられる。「ひとり息子に期待が-・っている」


他から言葉による働きかけを受ける。「『よう御両人』と声が-・る」「誘いが-・る」

命令・指示が与えられる。「号令が-・る」「医者からストップが-・る」

魔法・麻酔など特別な作用が及び,普通でない状態になる。「麻酔が-・っているので痛みを感じない」「暗示に-・りやすい人」

(力が)加わる。「パイプに強い圧力が-・る」「右足に体重が-・る」「この電極には一〇〇ボルトの電圧が-・っている」

道具を用いて表面に加工が施される。「木材にはきれいにかんなが-・っている」「アイロンの-・ったワイシャツ」「みがきの-・った丸太」

課せられる。「給料には所得税が-・る」

ある物がほかの物に渡される。また,作用が一方から他方へ向かう。


(「架かる」とも書く)一方から他方へさし渡される。「谷につり橋が-・っている」「空に虹が-・る」

糸・ひもなどの両端が結ばれて渡される。「鉄塔と鉄塔の間に高圧線が-・る」「クモの巣が-・る」

電話で,ほかへの通話が行われる。《掛》「電話が-・ってくる」

上に置かれる。手などがふれる。《掛・懸》「肩に手が-・る」「引き金に指が-・る」

取り扱われる。扱いを受ける。

論議・審議の対象として取り上げられ,処理される。「例の件は今日の会議に-・る」「裁判に-・る」

面倒をみてもらう。「子に-・ると云ふ日本特有の風習/半日:鷗外」

診察を受ける。治療を受ける。「医者に-・る」

人に見られるようになる。「また来週お目に-・りましょう」「人目に-・る」

傷つけられたり殺されたりいじめられたりする。「敵の手に-・る」「刃(やいば)に-・る」「ひとの口に-・る(=ウワササレル)」「兵火に-・って焼失した」

ある人の扱いを受ける。「孫に-・っては会長もただの甘いおじいさんだ」「彼の手に-・るとオンボロ車もピカピカになる」

機械・装置が起動された状態になる。機械が動く。「エンジンが-・る」「ラジオが-・る」「レコードが-・っている」「バッハの曲が-・っている」

(「繫る」とも書く)ひもなどでつなぎとめられる。

ひもで縛られる。「縄が-・った俵」「水引の-・った品」「お縄に-・る」

船が係留される。停泊する。「沖に船が-・っている」

建物が作られる。

ある場所に仮設の建物が作られる。仮設される。「広場にサーカス小屋が-・る」

芝居や興行などが行われる。「忠臣蔵が-・っている劇場」

あるものに託す。

あることの賞として金品の渡されることが示される。《懸》「優勝者には一〇〇万円が-・っている」「懸賞が-・る」

それによって物事が決まる。《懸》「甲子園の出場が-・った試合」

ある契約がなされている。《掛》「この家には火災保険が-・っている」

その領域に至る。

その場所に至る。「登りに-・る」「松林を過ぎると山道に-・る」

その時期・時間に至る。「夜中まで-・ってやっと終わった」「追い込みに-・る」「冬に-・る」

他の方へ及ぶ。「鼻に-・った声」

(「係る」とも書く)関係がある。

重大な関係がある。…に関する。《係》「傷害事件に-・る一件書類」「会社の運命に-・る秘密」

携わる。かかずらう。《係》「公害防止に-・る行政組織が不十分だ」

ある語句が,他の語句と文法関係や意味関係をもつ。《係・懸・掛》↔うける「主語が述語に-・る」「下の句に掛け詞として-・っている」

費用・労力・時間などを要する。費やされる。入用になる。「これを作るには金も時間も-・る」「修理するには一〇万円以上-・る」「手間が-・る」「暇が-・る」

ある物に別の種類の物が混ざる。「赤みの-・った茶色」

相手にして向かっていく。「やる気か。さあどこからでも-・ってこい」「…に食って-・る」「襲い-・る」

交尾する。「近所の雄犬が-・る」

着手・従事する。

その作業をする。取り組む。《掛》「三人で-・ってやっと運べるほどの庭石」

(動作性の名詞や動詞の連用形に助詞「に」の付いたものを受けて)その作業を始める。手をつける。着手する。《掛》「今日から印刷に-・る」「反対派を押さえに-・る」「ビラをはがしに-・る」

(動詞の連用形に付く)もう少しでそうするところである。…しそうになる。「川でおぼれ-・った」「暮れ-・る」

(動詞の連用形に助詞「て」の付いたものに付いて)…した態度で臨む。「相手をなめて-・る」


すがりつく。まつわる。「御指貫の裾に-・りてしたひ聞え給ふほどに/源氏:薄雲」

矢が的に当たる。「二つの矢どもの-・りてなむ/蜻蛉:中」

出会う。ぶつかる。「いかなる行きぶれに-・らせ給ふぞや/源氏:夕顔」

巻き添えになる。連座する。「この兄殿の御ののしりに-・りて/大鏡:道隆」〔「かける」に対する自動詞〕
[可能]かかれる
[慣用]息が-・お座敷が-・嵩(かさ)に-・肩に-・口が-・声が-・手が-・手に-/箸(はし)にも棒にもかからない
[表記]かかる(掛・懸・架・繫▼・係・罹▼)
「掛かる」は“ぶら下がる。ひっかかる。作用が及ぶ。行動に移る”の意などに広く用いられるが,仮名書きも多い。「壁に絵が掛かる」「魚が網に掛かる」「迷惑が掛かる」「暗示に掛かる」「修理には大金が掛かる」「これがすんだら仕事に掛かる」「懸かる」は“中空にある。金品の提供がある”の意。「月が中天に懸かる」「霞が懸かる」「犯人には賞金が懸かっている」「架かる」は“かけ渡される”の意。「谷につり橋が架かる」「空に虹が架かる」「繫る」は“ひもで縛られる”の意。「お縄に繫る」「係る」は“関係する。かかわる”の意。「国家の大事に係る問題」「罹る」は“病気になる”の意。仮名書きが多い。「重い病気に罹る」

デジタル大辞泉
かか・る【掛(か)る/懸(か)る/係る】
読み方:かかる
[動ラ五(四)]
1㋐上が固定された状態で、高い所からぶらさがる。上から下へさがる。「壁に絵が—・っている」「カーテンの—・っている部屋」㋑中空など、高い所に位置する。「月が中天に—・る」㋒目につくように高い所に掲げられる。「高札が—・る」「磔(はりつけ)に—・る」
2(「繋る」とも書く)船が停泊する。係留される。「客船が桟橋に—・っている」
3㋐火に当てるために容器が上からつるしさげられる。また、火の上に据え置かれる。「ガスに鍋が—・っている」㋑《竿秤(さおばかり)にぶらさげて計量するところから》はかりに受けとめられる。…の目方がある。「重すぎてはかりに—・らない」「4キロ—・る(=目方がほぼ4キロある)」
4㋐(「架かる」とも書く)物が一方から他方へまたぐように渡される。「橋が—・る」㋑ひも・縄などが物のまわりにかけ渡される。「水引の—・った祝いの品」㋒張り巡らすようにして作られる。一時的に設営される。「クモの巣が—・る」「小屋が—・る」㋓《仮小屋を作って行われたところから》興行される。上演・上映される。「見世物が—・る」「評判の映画が—・っている」
5㋐ほかのものの上にかぶさる。一面を覆う。「イチゴにミルクが—・っている」「霧が—・る」㋑水や粉などが飛び散って当たる。ふりかかる。「しぶきが—・る」「ほこりが—・る」
6仕掛けなどで捕らえる。また、捕らえられた状態で動きが止まる。「大きな魚が—・る」「網に—・った鳥」「凧(たこ)が木の枝に—・る」
7仕組まれた謀(はかりごと)に陥る。はまる。「相手の罠(わな)に—・る」「計略に—・る」「暗示に—・る」
8㋐(「…の手にかかる」の形で)傷つけられたり、殺されたりする。「敵の手に—・る」㋑(「目にかかる」の形で)目にとまる。見られる。「勘当したからは二度と親の目に—・るな」「お目に—・る(=お会いする)」
9偶然に物にさわる。「うっかり手が—・ってしまった」10㋐他から作用・動作が及ぶ。「技が—・る」「ちっとも誘いが—・らない」㋑送られてきて、こちらに届く。「声が—・る」「電話が—・ってくる」㋒付いている仕掛けが働いて、本体が動かないように固定される。「錠が—・る」㋓装置が作動して機能を発揮しだす。「車のエンジンが—・らない」「ひと晩じゅうラジオが—・っている」11何かが心にしっかりと付いてその状態にとどまる。「気に—・る」「心に—・る日本の将来」12㋐望ましくないことがこちらの身に及んでくる。身にふりかかる。「迷惑が—・る」「疑いが—・る」㋑負担すべきものとして押し付けられる。課せられる。「税金が—・る」13(「罹る」とも書く)病気や災難などを身に受ける。とりつかれる。「伝染病に—・る」14時間・費用・労力などが必要とされる。費やされる。要する。「手の—・る仕事」「完成に10年—・る」15㋐ものの働き・力が加わる。「芸に磨きが—・る」㋑頭から押さえつけるような態度に出る。「かさに—・る」16攻撃的に挑む。攻めていく。「束になって—・る」「攻略に—・る」17㋐物事に着手する。しはじめる。「仕事に—・る」「取り壊しに—・る」㋑その事に当たる。従事する。「今—・っている仕事」18ある範囲・場所・期間にまで及ぶ。経過してきてその所・時間に至る。「鼻に—・った声」「急勾配に—・る」「工事が来春まで—・る」19重みなどがそちらに加え乗せられる。力などが向けられる。「体重が—・った姿勢」「揉(も)み消しの圧力が—・る」20㋐物心の両面にわたって頼みとする。他のものに頼る。養ってもらう。「老後は子供に—・る」㋑処置・処理をまかせる。扱われる。「医者に—・る」「あの人に—・ってはかなわない」21議案などが公の場に持ち出されて取り扱われる。「案件が委員会に—・る」「裁判に—・る」22重大な結果が予想される。「優勝の—・った大一番」「懸賞が—・る」「この建物には保険が—・っている」23㋐そのような性質・傾向を帯びる。「赤みの—・った黄色」㋑交配される。「四国犬にマスチフの—・った土佐犬」24㋐(係る)物事がかかわる。重要なところに関係をもつ。「存否に—・る問題」㋑その人によって作られる。その人の手になる。「空海大師の開基に—・る」25(係る)文章中のある語句の文法上の働きが、あとの他の語句と関係をもつ。修飾する。「『青い空』の『青い』は形容詞の連体形で、『空』に—・る」26多く、動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて、初めからそのような状態で、またはそのように思い込んで、事に対する意を表す。「相手をのんで—・る」「だめだと決めて—・る」27神霊が人間に乗り移る。「神有(ま)して、皇后に—・りて誨(をし)へまつりて曰く」〈仲哀紀〉28気分や調子が乗る。「声も調子に—・り、能も心づくころなれば」〈花伝・一〉29他の動詞の連用形のあとに付いて用いる。㋐今にも…しそうになる。また、ちょうど…する。…しはじめる。「溺(おぼ)れ—・る」「崩れ—・る」「通り—・る」「立ち—・る」㋑ある動作を他に向ける。何かに向かって…する。「飛び—・る」「寄り—・る」
[可能]かかれる[ラ下一]
[補説]「掛かる」以外の表記は、次の観点で使い分けることが多い。
懸かる…中空にある。また、重大な結果につながる。「空に月が懸かる」「優勝が懸かる」
係る…関係する。「人命に係る問題」
繋る…船をつなぐ。「船が桟橋に繋る」
架かる…一方から他方へわたす。「橋が架かる」
罹る…病気などにあう。「風邪に罹る」[下接句]息が掛かる・意地に掛かる・御座敷(おざしき)が掛かる・御目(おめ)に掛かる・嵩(かさ)に懸かる・肩に掛かる・気に掛かる・食って掛かる・口が掛かる・口に税は掛からぬ・口の端(は)に掛かる・声が掛かる・心に掛かる・手が掛かる・縄に掛かる・箸(はし)にも棒にも掛からない・人手に掛かる・褌(ふんどし)を締めてかかる・刃(やいば)に掛かる

実用日本語表現辞典
係る
読み方:かかる
「係る」とは、関係する・手にかかる・担当することを意味する表現である。「係る」とは・「係る」の意味
「係る」とは、「関係する」「つながる」「手にかかる」「受け持つ」「担当する」ことを意味する表現である。「部の存続に係る事件」のように「関係する」という意味や、小学校での「保健係」「黒板係」のような「仕事を受け持つ」「担当する」という意味などがある。また、文法において「主語が述語に係る」「修飾語が被修飾語に係る」のように、文章の構造において係り受けという関係性を説明するときに用いる表現である。例えば「青い鳥」という言葉では、「青い」が「鳥」に係る、「鳥」は「青い」を受ける、という関係性になる。「かかる」には「係る」「掛かる」「懸かる」「架かる」「罹る」などの漢字があり、文脈により使い分ける。
「係る」と「係わる」の違い
「係る」は「係わる」や「関わる」とも言い換えることができる。「関係する」という意味での「係る」は、特許や商法関連の資料、契約書などのビジネス文書、官公庁の公用文などでよく使われる固い表現で、口語にはあまり用いられない。日常語で「関係する」という意味では「関わる」を用いることが多く、表外読みである「係わる」は使用されにくい。
「係助詞」とは
「係助詞」とは、単語に助詞を付加することで強調や逆説などの意味を込め、文末も連動して定型の結び方になるという古文の表現である。主に「ぞ」「こそ」「なむ」などがある。「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」という古今和歌集収録の和歌では、「風の音にぞおどろかれぬる(風の音で秋の到来にはっと気づきました)」の「~ぞ~ぬる」という係り結びの形式を用いて、強意の効果を持たせている。また「やへむぐら繁れる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり」という拾遺和歌集収録の和歌では、「人こそ見えね(人は見あたらないけれども)」の「~こそ~ね」という係り結びの形式を用いて、逆説の意味を持たせている。「係る」の読み方「係る」は「関係する」という意味で「かかる」と読む。「係(かかわ)る」を「係る」と書いても誤りではないが、「係る」と区別しやすいように「係わる」、あるいはより一般的な「関わる」を用いることが多い。「係る」の熟語・言い回し係る費用とは
係る費用とは、前に関係する項目を添えて「~に関係する費用」という意味で用いる表現である。公文書などで用いられる固い言い方である。
係る書類とは
係る書類とは、「~に関係する書類」という意味の固い表現である。「番号制度に係る税務署への申請書等の提出」のように使用する。
係る言葉とは
係る言葉とは、日本語の文法において係り受けの用法を説明するときに用いる表現である。係り受けでは主語と述語、修飾語と被修飾語の関係を説明しており、述語から見ると主語が「係る言葉」、被修飾語から見ると修飾語が「係る言葉」となる。
何々に係るとは
何々に係るとは、何かに関連している、または手にかかる、行為によることを示す表現である。「人命に係る仕事」だと「人命に関係する仕事」という意味になり、「巨匠に係る作品」では「巨匠の手で作られた作品」という意味になる。
主語に係るとは
主語に係るとは、文法における係り受けの関係性を説明する際に用いる表現である。例えば「赤い花が美しい」という文章では、「赤い」が主語の「花が」に係っている、という関係性になっている。「係る」の使い方・例文「関係する」という固い表現では、「駅前賑わい創出事業に係る企画競争の実施について」「当該当期控除額は、社会保険診療の所得以外に係る欠損金等であり」「社会保険関係法律等に係る医療費を被保険者に代わって都道府県が支払った金額」「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」「その延長に係る期間は、通じて8日をこえてはならない」のように用いることができる。
「係り受け」の説明としては、「黄色い花という文において、黄色いという言葉が花という言葉に係る」のような使い方がある。
「手にかかる」「人の行為による」という意味では、「総て鉄にして正吉氏の作に係る」「政府の撰に係るものを定めて教科書となす」「ただしこれは5年前の作に係るものだ」「これはドイツではなくアメリカのメーカーの製造に係るものだ」という使い方がある。
(2023年2月6日更新)

係る
読み方:かかる・かかわる
「かかる」と読む場合は、「このような」といった意味。「かかわる」と読む場合は、「関係する」、「関連する」といった意味。
(2010年10月6日更新)
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引っ掛ける  引っかける  引っ懸ける

Japanese-English Dictionary

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Yurica Name Dictionary

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