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Japanese Dictionary

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デジタル大辞泉
せい‐き【性器】
読み方:せいき
生殖器官。生殖器。

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性器(男)
★1.男性器を露出する。『江談抄』第2-31 右大臣実資が上卿として陣の座にいて申し文を下す時、弾正弼顕定が紫宸殿の東軒下で陰茎を出した。蔵人範国はこらえきれず笑ったが、実資は事情を知らず、範国をきびしく咎めた〔*『今昔物語集』巻28-25に類話〕。『詩語法』(スノリ)第3章 巨人族の娘スカジが、父を殺されたことの償いを要求して、アース神族のもとへのりこむ。ロキが山羊のひげと自分の性器とを紐で結び、紐の引き合いをしながら奇妙な踊りを見せると、怒り顔のスカジも笑い出し、神々とスカジは和解する。*睾丸を見せて娘を笑わせる→〔笑い〕3cの『金玉医者』(落語)。『太陽の季節』(石原慎太郎)竜哉の家へ英子が来た時、竜哉は庭に立てられた離れの部屋へ彼女を案内した。竜哉は風呂から上がり、離れに上がって、障子の外から「英子さん」と声をかける。英子がふり向いた気配に、竜哉は勃起した陰茎を、外から障子に突き立てた。障子は音を立てて破れ、英子は読んでいた本を、力一杯投げつけた。★2.男性器が見えていることに気づかない。『蛙(かわず)茶番』(落語)町内の素人芝居で、おっちょこちょいの半次が舞台番(=舞台脇にすわって客席を静める係)を引き受ける。半次は「尻をまくって派手な緋縮緬のふんどしを見せ、客席の娘たちをわーっと言わせよう」と、張り切る。ところが、風呂へ入ってふんどしをするのを忘れたまま、半次は尻をまくる。客席がどよめくので、半次は「緋縮緬を見て感心しているな」と喜ぶ。『人間失格』(太宰治)「第一の手記」「自分(大庭葉蔵)」は幼い頃から道化を演じ、周囲を笑わせようと必死の努力をしていた。ある時「自分」は、下男や下女たちを洋室に集め、インデヤン踊りをして皆を大笑いさせた。兄がそれを撮影し、出来上がった写真を見ると、踊りの腰布の合わせ目から小さいおチンポが見えていたので、家中がまた大笑いした。「自分」にとって、これは意外な成功だった。★3.男性器を失う・傷つける。『イシスとオシリスの伝説について』(プルタルコス)18 テュポン(=セト)は兄オシリスを殺し、その死体を14に切り分けてばらまいた。オシリスの妻イシスはパピルスの舟に乗って、切断された各部分を捜し、見つけるとそこに葬った(このため、エジプト中にオシリスの墓がたくさんある)。しかし、生殖器だけは魚に食べられてしまったので、見つからなかった。『今昔物語集』巻20-10 信濃国の郡司の家に宿り、その妻に夜這いした九人の男たちは皆、幻術によって性器を失った〔*翌朝、性器は返してもらえた〕。『トリストラム・シャンディ』(スターン)第5巻第17章 女中スザンナが5歳のトリストラムを椅子によじ登らせ、窓から小便をさせようとした時、窓枠が落ちる。血はほとんど流れなかったが、スザンナは「何も残っていないわ」と叫んで、逃げ出した。『トリストラム・シャンディ』(スターン)第9巻 トリストラムの叔父トゥビーは、かつて戦争で鼠蹊部に重傷を負った。未亡人ウォドマンがトゥビーに思いを寄せるが、彼女は、トゥビーの鼠蹊部のどの部分に傷があるのかが大いに気がかりで、結局結婚話は立ち消えになった。『二人兄弟の物語』(古代エジプト)兄嫁を犯そうとしたと疑われたバタは、兄アヌプの前で、自らの性器を葦のナイフで切り取り、河に投げる。ナマズがそれを呑みこみ、バタは力が萎え弱々しくなる。バタは兄と別れて杉の谷へ行く。*→〔後ろ〕2の『神統記』(ヘシオドス)。*→〔伯父(叔父)〕6の『パルチヴァール』(エッシェンバハ)第5巻・第9巻・第16巻。*→〔去勢〕5の『パルチヴァール』(エッシェンバハ)第13巻。*→〔にせ花嫁〕4bの『聊斎志異』巻2-48「嬰寧」。*→〔蛇婿〕5の『聊斎志異』巻12-463「青城婦」。★4.にせの男性器を切り取る。『古今著聞集』巻16「興言利口」第25・通巻547話嫉妬深い妻と別れようと考えた男が、亀を1匹買い、首を3~4寸引き出して切り取っておく。妻と喧嘩になった時、男は「すべてはこれがあるため」と、男根を切るふりをして、亀の首を投げ出し、帰って行く。数ヵ月後に男が訪れると、妻は股のあたりに黒布を着けており、「故人(=男根)のための喪服です」と言った。★5.美しい男性器。『子不語』巻19-503少女が窓から外を見ていたら、美少年が小便をしに来た。その陰茎は紅くて新鮮で玉(ぎょく)のようだった。少女は、「男性器は皆あんなふうなのだ」と思い、あこがれる。しかし少女が嫁いだのは菜売りの周某という男で、顔もまずく、陰茎も小さく汚かった。少女は悲しんで病気になり、そのわけを口に出して言うこともできず、死んでしまった。★6.男性器と女性器の形の違い。『古事記』上巻 高天原からオノゴロ島へ、イザナキ・イザナミ2神が降りて来る。イザナキがイザナミに「汝の身体はどのように出来上がったか?」と問う。イザナミは「私の身体には、出来上がらずに合わさっていない所があります」と答える。イザナキは「私の身体は出来過ぎて、余った所がある」と告げ、「私の身体の余った所を、汝の身体の合わさっていない所に刺し入れて、国土を産もう」と提案する。*イザナキ・イザナミ2神が互いの身体の凹凸を合わせて合体するのは、切り離された球状人間が互いの半身を求め合う物語を連想させる→〔人間〕1bの『饗宴』(プラトン)。『なぜ神々は人間をつくったのか』(シッパー)第8章「性器の欠落」「人作りの魔術師」は、自分そっくりの人間を2体作ったが、それだけでは人間が増えていかないことに気づいた。魔術師は一方の人間の股間を少し引っ張り、もう一方には爪で小さな割れ目を作った。それから、彼らがすべきことを確実になすように、両方に快感を与えた(アメリカ、ピマ族)。『なぜ神々は人間をつくったのか』(シッパー)第8章「性器の欠落」神はアダムとエバ(=イヴ)を作った後、アダムの身体には土塊をくっつけ、エバの下の部分には斧を当て、2人がなすべきことをする準備をととのえた(ブルガリア)。『南島の神話』(後藤明)第4章「日本神話と南島世界」昔、男神アゴクラヤンと女神タリブラヤンが、台湾の東海の孤島に天降った。2人が芋を焼こうとうずくまった時、女神は、男神の下半身の長く突き出たものに気づいた。男神は、女神の下半身の窪みに気づいた。そこへ、つがいのセキレイが飛んで来て腰を振ったので、2神は交合の方法を知り、多くの子孫を産んだ(台湾、アミ族)。★7.男も女も同じで、ほんの少しだけ差がある。『アダム氏とマダム』(キューカー)20世紀半ばのニューヨーク。検事補アダムと弁護士アマンダは、仲の良い夫婦だった。しかし裁判では、敵味方に分かれて争わねばならぬこともある。アマンダは男女同権の堂々たる論陣を張って、夫アダムを苦しめる。でも、裁判が終わって夜になれば仲直りだ。アマンダは「男も女も同じだわ。あっても僅かな差よ」と言う。アダムは「楽しいのはその差だ」と笑い、2人はベッドに入る〔*原題は"Adam's Rib"〕。★8.男性器を「悪魔」、女性器を「地獄」と言う。『デカメロン』(ボッカチオ)第3日第10話若い聖者が勃起した性器を「これは悪魔だ」と言って、処女アリベックに見せる。聖者は「悪魔を、あなたの身体にある地獄の中に閉じ込めることが、神様への奉仕になる」と説いて、アリベックと交わる。何度も交わりを繰り返すうちに、アリベックは「神様への奉仕は、本当にこころよいものだ」と感じるようになった。*男性器の身代わり→〔身代わり〕4bの『風流志道軒伝』巻之5。*雄猿が性器を傷つける→〔猿〕5b・5c。*睾丸と卵→〔卵〕6の『セレンディッポの三人の王子』1章。*睾丸と宇宙→〔宇宙〕3の『彼方へ』(小松左京)。*落ちそうで落ちない睾丸→〔落下〕6bの『パンチャタントラ』第2巻第6話。*男女が性器を隠す→〔裸〕3。*男性器の代用品→〔器物霊〕5の『奇談異聞辞典』(柴田宵曲)「天井の一包」。

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性器(女)
★1.女性器を露出して神にはたらきかける。『古事記』上巻 アマテラスが天の岩屋戸に閉じこもり、高天原も葦原中国も闇夜になった。八百万の神々は、アマテラスを岩屋戸の外へ出す方法を相談する。アメノウズメが神がかりになり、乳房も性器も露出して舞い踊り、神々は大声で笑う。アマテラスは不思議に思い、岩戸を少し開ける〔*女神が裸になって太陽神を誘い出す『古事記』とは逆に、→〔太陽〕9の『イソップ寓話集』「北風と太陽」では、太陽が照りつけて男を裸にする〕。*美女を裸にして雨乞いをする、という物語もある→〔雨乞い〕2の『夜叉ケ池』(泉鏡花)。『沙石集』巻10末-12 和泉式部は藤原保昌に捨てられ、貴布禰神社で夫婦和合の修法を行なう。老巫女が赤い幣を立て巡らせ、鼓を打ち性器を露出し、たたいて3度回る。「同じようにし給え」と言われた和泉式部は、顔を赤らめてこれを断り、「ちはやぶる神の見る目も恥づかしや身を思ふとて身をや捨つべき」と詠歌する。藤原保昌は彼女のふるまいに感心し、愛情が復活する。★2.女であることを示すために性器をあらわす。『古事談』巻2-58 源頼光が四天王らを遣わして清監を打たせた時、清監の妹清少納言が同宿していた。男法師のように見えたので殺そうとしたところ、清少納言は、尼であることを示そうと、自ら性器をあらわした。★3.女性器を露出して敵や魔物に対抗する、あるいは退治する。『鬼餅』(沖縄の民話)乱暴な男が、鶏や山羊や豚を盗んで食っているうちに、鬼になってしまった。男には、27歳になる美しい妹がいた。妹は、兄の鬼の歯をくじいて征伐すべく、瓦を砕いて餅に入れ、食べさせる。固い餅に歯が立たず、兄の鬼が困惑していると、妹は着物のすそをまくって見せる。兄の鬼「お前の下に、ひげの生えている口は何だ?」。妹「私の上の口は、固い餅を食べる口。下の口は、鬼を噛み殺す口」。びっくりした兄の鬼は、断崖から足をすべらせ、海へ落ちて死んでしまった(沖縄本島)。『史記』「周本紀」第4周の厲(れい)王の代。神龍の吐いた沫(あわ。=龍の精気)を納めた匱が開かれ、沫が宮庭に流れ出た。王の命令で、全裸の女たちが沫にむかって大騒ぎすると、沫はトカゲと化して後宮に入りこみ、7歳ほどの少女と出会った。少女は15歳頃になって、夫なしで身ごもり、女児を産んだ〔*沫は精液、トカゲは男性器を意味するのであろうか〕→〔子捨て〕1a。『日本書紀』巻2・第9段一書第1ニニギノミコトが高天原から葦原中国へ降臨しようとした時、その道すじに、1人の怪しい神が立ちふさがった。アメノウズメが、乳房と性器を露出してその神に向き合い、名を問うた→〔笑い〕1a。*乳房を露出して敵を追い払う→〔乳房〕2の『赤毛のエイリークのサガ』。*→〔傷あと〕7の『カター・サリット・サーガラ』・『パンタグリュエル物語』は、女性器を見せて魔物を追い払う物語が笑話化したもの。*女性器をあらわして鬼を笑わせる→〔笑い〕1cの『鬼が笑う』(昔話)。*女性器をあらわして女や女神を笑わせる→〔笑い〕3bの『デメテルへの讃歌』・『ペンタメローネ』(バジーレ)「序話」。★4.女性器の絵を刺青にするのは、魔よけ・弾丸よけの意味があるのかもしれない。『黒地の絵』(松本清張)朝鮮戦争で戦死した黒人兵の腹に、赤色で女性器を描いた刺青があった。死体処理作業に従事する歯科医香坂は、「こんな刺青を彫ってしまったら、軍務を終えて帰郷した後で人前に出られず、後悔するだろう。そこまで考えが及ばない無知な男だったのか」と思う。しかしすぐ「いや、そうではない」と香坂は考え直す。この兵士は、戦場から生きて帰れないことを覚悟して、女性器の刺青を彫ったのだ→〔暴行〕6b。*→〔千〕7の『現代民話考』(松谷みよ子)6「銃後ほか」第2章の2の、千人針に女性の陰毛を用いるという話も、女性器が魔よけ・弾丸よけになる、ということなのであろう。★5.貞操を守る紐も、女性器同様に、化け物を退治する力を持つ。『物知り老人』(アイヌの昔話)檻の中のミントゥチ(=河童の化け物)が暴れ出し、その家の2人の女(*→〔口〕6d)を取り殺そうとする。物知り老人の教えで、2人の女はラウンクッ(=女の貞操を守る紐。夫以外の者は絶対に手を触れることができない)をほどき、2本の紐をつないで檻をしばる。物知り老人が呪文を唱えると、ミントゥチは、見えない紐で首をしめられるごとく苦しみ、死んでしまった。ラウンクッには化け物を殺す力が備わっているから、常に身につけているべきだ、と言われる。★6.歯牙のある女性器。ヴァギナ・デンタータ。『耳袋』(根岸鎮衛)巻之1「金精神(こんせいじん)の事」津軽での出来事。娘の陰部に鬼牙があって、交合の折に男根を傷つけたり喰い切ったりするので、何人もの婿が、逃げ帰ったり死んだりした。1人の男が黒銅製の男根を用いると、陰部の牙はことごとく砕けて抜け、以後は普通の女になった。その地方では、黒銅で男根の形をこしらえて「カナマラ大明神」と呼び、今でも神体として尊崇している。『夢日記』(スウェーデンボルグ)「私」は、あまりきれいでない女と寝ていた。「私」はその女を好いていたので、彼女に触れたが、その入口には歯が並んでいた(1744年4月13~14日)。石炭の火が赤々と燃えている所で、「私」は女たちと一緒になった。女たちは、「私」が入って行きたいと思う箇所に歯をはやしていて、「私」が入ろうとするのを妨げた(同年10月9~10日)。*入れ子構造の女性器→〔入れ子構造〕2の『女体消滅』(澁澤龍彦『唐草物語』)。★7.女性器と口。『聴耳草紙』(佐々木喜善)89番「狸の話(狸の女)」大正7年(1918)冬。宮古の山中で、爺と2人の若者が小屋に泊まっていた。そこに若い女が来て、宿を請う。女は炉端に座るが、だんだん姿勢が崩れ、赤い腰巻や性器をチラチラ見せて、若者を誘惑する。そのうち囲炉裏の暖かさで、性器があくびをする。爺と若者たちは女を捕らえて叩く。それは2匹の狸が首乗りに重なって、1人の女に化けていたのだった。*女性器と貝→〔蛸〕1bの『赤貝猫』(落語)。★8.女性器を傷つける。『古事記』上巻 アマテラスが忌服屋(いみはたや)にいて、神に奉る衣を織らせていた時、スサノヲが服屋(はたや)の屋根に穴をあけ、天の斑馬を逆剥ぎにして落とし入れた。天の機織女(はたおりめ)は驚き、梭で陰部を突いて死んだ〔*『日本書紀』巻1・第7段本文ではアマテラスが梭で身を傷つけた、一書第1ではアマテラスの子とも妹ともいわれる稚日女(ワカヒルメ)が梭で身を傷つけて死んだ、と記す〕。*箸が女性器に突き刺さる→〔箸〕3。『播磨国風土記』揖保の郡萩原の里神功皇后の従者たちが、米をつく女たちの性器を交接して断ち切った。それゆえ陰絶田(ホトタチダ)と言う。*火の神を産んで女性器を火傷する→〔火〕1aの『古事記』上巻。★9.女性器をみるための計略。『ヰタ・セクスアリス』(森鴎外)「僕(哲学者・金井湛)」が10歳の時のこと。それまで、女の身体のある部分を見たことがなかったので、「僕」は一計を案じ、同年くらいの勝(かつ)という娘に、「縁の上から飛んで遊ぼう」と言った。「僕」が着物の尻をまくって庭へ飛び降ると、無邪気な勝は同じように尻をまくって飛んだ。「僕」は目を円(まる)くして覗いたが、白い脚が2本、白い腹に続いていて、何も無かった。「僕」は大いに失望した。*下から女性器を見る→〔死の起源〕4。*女性器を「地獄」と言う→〔性器(男)〕8。*手で女性器の形状をあらわす→〔手〕6a・6b。*男女の性器の形の違い→〔性器(男)〕6。*男女が性器を隠す→〔裸〕3。
Similar words:
女性器  生殖器  陰部  女陰  マンコ

Japanese-English Dictionary

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せいき【性器】
(the) sexual [genital] organs; the genitals(▼通例複数形)
性器ヘルペス症 genital herpes simplex

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性器
読み方:せいき
(名詞)
[対訳] genitals

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