Japanese Dictionary
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いちよう‐らいふく〔イチヤウ‐〕【一陽来復】
読み方:いちようらいふく
1《易(えき)で、陰暦10月に陰がきわまって11月の冬至に陽が初めて生じることから》陰暦11月。または、冬至。《季冬》
2冬が去り春が来ること。新年が来ること。「—の春」
3悪いことが続いたあと、ようやく物事がよい方に向かうこと。「—を願う」
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実用日本語表現辞典
一陽来復
読み方:いちようらいふく
一陽来復とは、一陽来復の意味
一陽来復とは、「冬が終わって春が来ること」、転じて「悪いことがしばらく続いた後に良いことが起こるということ」を意味する語。もともとは、陰暦10月または冬至の別名。
「春」は春季(季節の春)を指す場合もあれば新春(新年)を指す場合もある。
一陽来復が陰暦10月または冬至を指すのは、易において陰暦10月は陰気が最高潮に達して陽気に転じる転換点と考えられたためである。一陽来復の語の由来・語源「一陽来復」は易(陰陽思想)に由来する語である。「一陽来復」の「一陽」は易における「陽の気」のことであり、「来復」は「(去ったものが)再び帰ってくる」ことを意味する。
易ではあらゆるものが陰陽の2要素からなると考える。物体も概念も時間の流れも陰と陽の移り変わりによって表現される。そして1年のうち最も陰の気が強くなる時期が冬至のころとされている。この時期を過ぎると再び陽の気が強くなっていく。そのため、冬至を指して一陽来復と呼ぶわけである。
冬至を過ぎると「寒さが厳しさを増す」傾向から「徐々に暖かくなる」傾向へ転じることになる。その意味で「辛い時期が去り良い方向へ転じる」ことを喩えて一陽来復という。一陽来復の語の使い方(用法)、例文心身の調子がすぐれず長期休養していたが、一陽来復、また元気に出社できるようになったしばらく不幸なことが続いたが、一陽来復というべきか最近は運勢が上向いてきたように感じる彼女は私生活で窮地に陥ってしまったが、辛抱強く一陽来復の時を待ち続けている一陽来復の語の類語と使い分け一陽来復(悪い時期が去り良い方へ向かうという意味)の類語としては、「捲土重来(けんどちょうらい)」などが挙げられる。捲土重来は、一度失敗をした人が巻き返し勢いを取り戻すことである。ただし、どちらかといえば「捲土重来」は「自力で勢力を盛り返す」という意味合いが強く、「一陽来復」には「時間の流れの中で自然に良い方向に向かう」という意味合いが強いといえる。
「苦尽甘来(くじんかんらい)」も、「苦しい時が過ぎ去って楽になる」という意味の語であり、意味は「一陽来復」のほぼ同義語といえる。苦尽甘来は味覚(お茶を飲んだ時の味わいなど)に喩えた表現と解釈でき、事が好転するまでの期間が短いニュ明日を伴いやすい。一陽来復は年間を通じた寒暖の移ろいに喩えた表現であるから、長いあいだ辛抱するニュアンスを伴いやすい。一陽来復の英語「一陽来復」を英語で表現する場合、「春がまた来る」という意味ではreturn of spring のような表現で、「捲土重来」の類義語としてはrallyingone's forces のような表現が当てはまる。
(2021年8月27日更新)
Similar words:
冬至 中夜
Japanese-English Dictionary
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いちようらいふく【一陽来復】
I 〔手紙の時候のあいさつ〕Spring is here./It is getting more like spring.
II 〔運が向いてくること〕
・これで我が家も一陽来復です
Fortune [The tide] is now turning in our family's favor./Things are finally starting to look up for our family.
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一陽来復
読み方:いちようらいふく
一陽来腹 とも書く
(名詞)
[対訳] return of spring; long-awaited, favorable turn of fortune (favourable)
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